シニアチーム 創立10周年記念お祝いメッセージ

「プロ野球で活躍している教え子達は…?」
「チームの成功の秘訣と子供の成長の秘訣は…?」

 

リトルリーグ・シニアリーグ野球協会創立10周年、真におめでとうございます。
お祝いの席にあたり、一言述べさせていただきます。

 

10年前、チーム創立の際には、多くの方々のご苦労、ご尽力があった事と思います。物事をスタートさせる事、「0」から何かを生み出す事というのは本当に大変な事だと思います。
エネルギーに満ちた思いと行動力があるからこそ、それが成し遂げられるのだと思います。
そういった方々の力がありチームがスタートでき、わずか10年という期間の中で、実績を残されている事も本当に素晴らしい事ですし、関係されている方々に対しましては、同じ勝負の世界に身を置く者として心から敬意を表します。

 

創立から10年という節目のこの時期にあたり、選手の皆さんにお伝えしたいことがあります。
チームに入団した当初の事を思い出してください。人それぞれ色々な思いを持って入団してきたのではないでしょうか。
人間はスタート地点に立つ時、大きなエネルギーを持っているものです。そのエネルギーは楽しみであったり、希望であったり、期待であったり、時には不安であったりもします。
そういったさまざまな思いは、皆さんを成長へと導いてくれる材料になります。おそらく皆さんも入団当時それぞれの思いがあっただろうと思います。
しかし、人間は時間が経つにつれて、エネルギーに満ちた思いを忘れていきます。
「マンネリ」というやっかいな敵が目の前に立ちはだかります。
『初心忘るべからず』という言葉がありますが、初心を思い続ける事。情熱を持続させ、努力を継続させる事。『継続』こそが全ての才能を上回る、最も素晴らしい才能だと私は思います。
肩が強いとか、足が速いとか、ボールを遠くに飛ばす事ができるという才能よりも必要なのは『継続』するという才能であり、それを習慣化させる事です。

 

私が出会ってきたプロ野球で活躍している教え子や高校野球、大学野球で活躍している選手、又野球から離れた後も社会で活躍している人達には、人に言われるまでもなく、自ら気付き、自らの意思でコツコツと努力を継続することができるという共通する部分がありました。やらされているうちは本物になりません。
さらに、もうひとつ共通点を上げるとすれば、自己分析をして物事を次に生かせる考え方と行動力がある事でしょう。

 

これから先、うまくいく事もうまくいかない事もあるでしょう。楽しい時もつらい時もあるでしょう。
しかし、それは全て通過点です。君たちの中学校、高校での成功、10年後、20年後、その先の明るい未来のために、目の前の成功や失敗に振り回される事なく、自分を成長させるための努力を継続させてほしいと思います。
『勝っておごらず、敗けてくさらず』です。君たち一人ひとりが無限の可能性を秘めた存在である事を、自覚してください。

 

又、子供の成長のために欠かせないのが親です。
近づき過ぎず、離れ過ぎず、十分な関心を持ちながら適度な距離感を保ちつつ、子供と接することが大切だと思います。
指導者を信じ、子どもの可能性を信じ、厳しさと愛情を持って自分の子供だけでなく部員一人を全ての親で育ててあげて欲しいと思います。
それも大事なチームワークの一面だと思っています。
チームの成功と子供の成長は『指導者、選手、親』の三角形のバランス無しにはあり得ません。
私も高校野球の指導者として苦しんだ時、あたたかい目で見守ってくれ、適度に協力してくれる親が多くいてくださった時は非常に救われ、それをきっかけにチームが上昇し、子供達が成長していった事を昨日の事のように思い出します。
子供と共に、チームも親も成長し、人材が育つチームになる事を心からお祈り致しております。

 

國學院大學硬式野球部 監督 鳥山 泰孝