第3回 Mature Cup を終えて

第3回マチュアカップが大いに盛り上がり無事に終了できた事を嬉しく思います。

勝った、負けた。活躍できた、できなかった、、、、久々の緊張感、高揚感を味わいながらそれぞれの結果を体験し、様々な感情がグランドに渦巻きました。忘れかけていた思いや熱をマウンド上で、バッターボックスで、フィールドで感じてくれた事と思います。

若者にとって、大切であり貴重なのは現場の経験です。今回のマチュアカップでは、試合という現場を久しぶりに体験しましたが、試合に出ることだけがその現場ではありません。さまざまな立場でチームに携わる事が「現場の経験」である事を認識してください。

 

今君達がグラウンドで色々な経験ができているのは、親が命を授けてくださり、赤ちゃんの頃から大変な思いをして育ててくれ、経済的にも大きな支援をして野球をさせてきてくれたからこそです。

そして、高校まで指導してきてくれた指導者がいて、大学の監督が入部も受け入れてくれたからです。万が一でも現在の自分の立ち位置に不満をもっていたり、中途半端な甘えた取り組みをしているとするならば、今一度自分が与えられているもの、恵まれている事に気づき自分を改めるチャンスがここにあります。不平不満を言う前に「あるもの」に感謝し、最後の秋に向けてスタートしてほしいと思います。

 

秋のシーズンは君達にとっては、小学校から続けてきたであろう学生野球の集大成になります。最後の秋です。自分自身が納得できるように自分に恥じない秋にしてください。学生野球最後のひと勝負ができる場にいられるのは、君がここまで諦めずにやり続けてきたからでもあります。全国から集まってきた仲間たちと時にはぶつかり合いながら、時にはバカをしながら、うまくいかない事も、苦しんだ時間も、怪我に苦しんだ事も、成功を喜び合った事も、さまざまな時間を過ごしてきて、最後の秋を迎えます。

どんなお金持ちでも、この時間だけはお金では買えません。それを経験できることこそが大学スポーツの意義であり、醍醐味です。

 

その最後の戦いの場に向けて、7月、8月それぞれの立場でベストを過ごしてください。

かつて、私はある言葉に出会いました。「一人一役、全員主役」という言葉です。

非常に重みのある言葉です。これは広島県、広陵高校野球部で使われていた言葉です。

今日ここに集結している4チームは、首都圏にて、大学野球界を牽引していく役割を担わなくてはいけないチームばかりです。

小・中・高生の手本となる取り組みをしなければいけません。自分たちの立場にプライドと責任を持ってください。それが我々の使命です。その使命を果たすべく、ふさわしいモチベーションを自分自身の責任で作り上げてください。

モチベーションややる気を人に出してもらっているうちは一人前になりません。

18歳の時、この大学に進学をして野球をすると決断したのは、君自身です。4年前の自分に対しても失礼のない取り組みをそして、応援してくれている方々にお見せしても恥ずかしくない取り組みをしていきましょう。今一度、自分の原点や初心を思い出し、この先の力にしてほしいと思います。

ひと夏で自分もチームも成長させ、悔いの残らない実りの秋を手にしましょう。

各チームと選手一人ひとりの活躍をお祈りし、閉会の挨拶とします。

 

令和元年 7月7日

鳥山 泰孝